過酷な任務・ある女性のチェルノブイリでの体験(日本語版)


チェルノブイリ事故後に周囲の汚染区域の清掃にあたった、Liquidatorと呼ばれる作業員の1人の女性、ナタリア・マンズロヴァさんの体験の英訳を、和訳して下さった方達がいます。 木下黄太さんのブログで紹介されていました。

http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/e0edc2de3cbc65dbad569df24ea02657

ナタリア・マンズロヴァ - 1988年

チェルノブイリの立ち入り禁止区域にて

木下さんのブログエントリーから引用します。

ナタリア・マンズロヴァの「Hard Duty」を読むと、チェルノブイリの事故処理に様々点で、関与した人々にどのようなことがおきたのか、健康面や精神面でどうした緊迫した事態が続いていたのかがはっきりとわかります。これは、福島でおきることを推定させる話であり、当時のソ連のような統制国家であれば、出来た話が、逆に日本のような制約がかけられない社会では、できないことが逆に多いことも理解できます。

この文書は現地に入り込んだ人々に何がおきたのかが分かる話です。「リクィデーター」といわれる人々がどのような状態になったのか、特に脳神経にどのようなことがおきたのかは、チェルノブイリを知る専門家が、今回危惧して僕に再三伝えていた情報とシンクロします。精神的な部分である種の障害がおきること、具体的に脳に影響が強い事。さらに欲望、特に性欲が増す事など、表で語られにくい事象も、文章にされています。こうしたことを確認しておく事が、これから僕らが生きていく状況を正確に認識する事にも通じると考えています。

引用されている写真などには、正視に堪えない写真もあります。これを踏まえたうえで、しかしあなたは、きちんとご覧になることをすすめます。(小さいお子さんにはおやめになったほうがよいと思います)

 

ここに、タイトルと日本語訳の前書きを引用します。

実際に和訳を読むには、下のリンクからPDFファイルをダウンロードして下さい。

 
A WOMAN'S EXPERIENCE
AT CHERNOBYL
 

過酷な任務・ある女性のチェルノブイリでの体験
(日本語版)
Natalia Manzurova and Cathie Sullivan
ナタリア・マンズロヴァとキャシー・サリヴァン
翻訳:後藤健太郎・大羽正律・大羽比早子

訳者より

2011年4月10日にカリフォルニア州バークレーの街で「チェルノブイリの4分の1世紀」というタイトルで集会が行われました。主催はCenter for Safe Energy(安全なエネルギーのためのセンター)という米国のNGOで、バークレーの公共ラジオ放送局KPFAやその他の環境団体が共催しました。ロシアから3人の活動家がチェルノブイリについて話し、そのさい福島の事故についても触れてました。そのうちの一人が本書のナタリア・マンズロヴァでした。その集会で本書「Hard Duty」が配布されていました。福島第一原発の事故を受け、これからの日本でチェルノブイリでの経験から学べるものがあるのでは、ということで日本語訳について交渉し、彼女たちの著作権を明記すれば自由に日本語版を作ってよい、という了解を得ました。

原書はロシア語の聞き書きを英文にしたものです。そのため固有名詞などが英語からの表音になっているものもあります。例えばチェルノブイリの除染作業者を指す言葉は、「リクィビダートル」とロシア語からの日本語表記の使用例もすでにありますが、原書の英語の「リクィデーター」の使用例もすでにあるため、後者で統一しました。また距離の単位が米国のマイルになっていたため、カッコ内でkmで概算していますが、端数は切り捨てている場合もあります。これは、ロシアではメートル法で語られてたものを、英語にするときにマイルに直したものを、またメートルに戻しているためです。

PDFバージョンが下記のアドレスから閲覧、ダウンロードできます。英語版のMS Wordで作ったためレターサイズの半分になっており、A4の半分と少し異なりますが、日本でしたらA4の半分で印刷できると思います。本にする際は必ず、著作権や最後の参考資料の部分も含めて印刷してください。商業目的での販売はしないでください。

大羽正律

Hard Duty「過酷な任務」PDF

 

 

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